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物価と人件費の上昇がじわじわと小さな優良窯元をむしばみ始めた。
市場はほとんどがブランド(小雅など)か宣伝広告の強いところ(古鎮、九段)等に奪われ 下請けになるか、工房を解体して個人作家になるか、生産ラインを大衆向け量産品にするか せまられている。決して売れないわけではないが、ややもすると職人が賃上げ要求で離れたり 他所に引き抜かれたり、いつもいくら売っても慢性的に資金が足りない。 楽な循環に入るには億単位の資金を回せないともはや景徳鎮では難しい。 勢い、方向変換しないところは生き残りをかけて、製品に「節約」をしてしまう。 これは手抜きではない。基本はできているが、贅を凝らさなくなるのである。 これまでも述べてきたが、第一ロットは大体いい素材がそろい、やる気も満ちていて 丁寧にあらゆる力を入れていい仕事をする。 ところが第二ロット以降手が慣れてくると、同じ時間で量を多く生産して より多く稼ごうとする。 当然絵が簡素化されたり、形成が楽な方向に流れたりと、ギリギリのところで どんどん省力化して行く。 最も効果的なのは素材の変更。 同じ絵付けでも胎を変えてしまったり、同じ磁土、釉薬でも弟子や下請けのものだったり または絵具のグレードを落としてしまう。 過去一か月日本で販売したものの9割はもう市場に無い。 残りの一割はまだ売られているが、「似て非なるもの」になっている。 並べればわかるが、ネットでなんとなく見て覚えていた人は うっかり買ってしまうかもしれない。価格はさらに高い。 例えば今日本に数点出ているカオリン入りのものは 所謂清朝のカオリン鉱脈もので粘性あり非常に硬くて艶やかな 密度の高いものである。 いま、ごく少数市場に出てきたものは、すでに土の配合が 変わってしまって、前の物とかなり違ってきている。 老料のポット、茶杯も絵付けが簡素化され素材も変わって フォルムが荒くなって、値段は上がったがものが落ちているのでパスした。 最高の贅沢品を出したときにどうかゲットしてほしいと願う。 これらのものでさえ手に入れるのは困難なのである。 それを厳選された第一ロットを手に入れるなんて夢のような話だ。 大型の物になればなるほどである。 茶器は小さいのでまだ引っ張ってこれるが、大型のものは中国人が 特に欲しがるのでいいものは桁が違ってもよく売れる。 というよりは需要に追い付かないのが事実だ。 私の集めるものは優秀な人材、子供のころから商いをしたり絵付けをしていた人を 引き抜いて問屋をしてもらいながら私の留守中の最高ロットを買いだめてもらっている。 その中から更に選んでご紹介しているのが総手工本カオリン老料もの。 彼らはその他岩手焼成の景徳鎮白磁絵付けの監督などさまざまな仕事をしている。 優秀な人材がいてなんとか回るが、景徳鎮でこういった人材を探すのは 更に困難である。 皆さんの目にしている私の販売活動は氷山の一角で、商品を集めるため水面下で とんでもない努力と多くの人たちの働きがある。 ブランドの限定品を並んで買う専門人員を雇っているのと同じだ。 小雅、鴻海はその点生産は少ないが、ロットが安定、というよりは、日々向上で 最良のものが安定して生産されるのでこういった苦労は無い。 今回は中級のものを集めて皆さんに楽しんでいただく予定で新サイトを準備していてもらったが 中級窯元達が一発楽に稼げる量産に共同経営で臨んでしまい、ひどいものばかりで 諦めた。中級品もロットで注文制作となりそうだ。 それなら鴻海で中級絵師の廉価シリーズを作ったほうが早い。 いろいろ苦労が絶えないが、お客さんにはぜひ今ある物でよいものを 順番に早めにゲットしていただきたいものである。 中国に行って安く買おうと狙ってる人はまず絶対同じレベルのものは 同じ価格では手に入らないことを知っていただきたい。 更に滞在経費を考慮すると万一見つかっても相当高くつくことを考えて欲しい。 PR |
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