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【2025/05/21 07:44 】 |
消えゆく本物の技
日本の不景気な窯場の常識では想像もつかないだろうが、中国ではものすごい勢いで焼き物が売れている。焼き物ばかりではなく、日本の伝統工芸品の南部鉄の鉄瓶など大変な人気である。自分で中国に来て売ればいいのに、全く日本人自身が臆病というか相手をしらなさすぎるというか、マンネリでモチベーションが低くて同業など人の顔色ばかり伺い出遅れているとしか考えにくい。東北人など被災して余計なまけものになった。私はああいうだらしなくて傲慢な連中は同じ国民、同じ被災者として虫酸が走る程嫌いだ。報道と現実は違う。同じく、中国の陶磁器の売上もバブルだのどうだの言われても、国民全体の今後20年の需要は全く変わる兆しがない。自国の伝統文化を欲しがる国民性ではとても仕事がしやすい。この点日本は気の毒である。二十代の青年男女が有田焼など麻疹にかかったように欲しがるだろうか。ヤンキーが自転車乗りながら「俺今度の給料で鉄瓶買うんだ!」なんて会話してるだろうか。

それはさて置いて、当然需要が多いということは、最高級品は供給が賄えないということになる。一流の職人などほんのひと握りしかいない。

それが今度の大規模な市のテコ入れで優秀な工房は工業団地に移動するのである。
今までの10倍とか100倍とか考えられない土地や環境を与えられ窯元一社何億、何十億という投資をしてそれぞれの窯元が競って工房や公園、文化施設を併設するのである。

だが果たして、その規模に見合う職人が揃えられるであろうか。。

台湾、香港の投資で一気に上がってしまった人件費を更に九段窯の段社長が煽って日本並みに釣り上げてしまった人件費。

黄雲鵬社長や段社長など老練な富豪窯元が官民一体で繰り出すのである。

それだけでも恐ろしい。。

まさに戦国時代の様相である。

職人は一本釣りで釣り上げられ引き抜かれ、大きいところにどんどん吸収されてゆく。
市内に残る工房は家族以外は全て吸い上げられ干上がるだろう。
そして家族経営も維持できなくなると高い給料の大工場へと吸収されるだろう。

しかし、結局大部分の窯元を犠牲にして上げた人件費の競争は職人の怠惰を招き、
ほとんどの職人は仕事を捨て余ったお金で麻雀館や飲食など経営初めて辛い職人仕事から社長に転身して遊んで暮らすことになろう。

日本の10分の1で暮らせる町で、月収15万とか100万とか1000万とかわけのわからない世界である。作家など気ままに働いてマンション経営と郊外に豪邸を立てている。
庶民と焼き物世界の人間は王様と乞食ほど差がある。

大学出の知識人出身の社長たちと話すと共通した見解は、上級職人が前線離脱して経営者、アーティストになることで高級路線はまもなく崩壊するであろうということ。

絵付け一点あたりの工賃も昨年の倍になった。安物はそのままだが高級世界は本当にそうなのである。この辺、日本では感覚が伝わってない。。

本物の景徳鎮は実は今しか手に入らないのかもしれない。
過去の宜興がそうであったように。

景徳鎮市長に出す企画書書き終わるが、将来の展開を考えると不安が増幅する。
工場長は嬉しい反面不安で夜は寝付けないという。
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【2012/07/21 10:18 】 | 景徳鎮よもやま | 有り難いご意見(0)
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