豊さを象徴する金魚を「福禄」を意味する瓢箪急須に丁寧に描きました。
特に今回は清朝民窯に流行したスタイルの染付金魚と同じく清朝乾隆期ヨーロッパから注文を受けたデザインを基調として夏向けにこれまた吉祥を意味する水辺の草花を愛らしくそして涼しげにあしらいました。
胴幅約8cm、高さ約8.5cm、注ぎ口からハンドルの最大幅約11.5cmと可愛らしい急須です。こちらも今期は十数点しか作りませんので
金魚デザインのお好きな方にはとても貴重なコレクションとなるでしょう。
大発展する景徳鎮ですが、伝統を踏まえた手作業で作られた景徳鎮茶器は実は却って少なくなっており、市場で見かけることはほとんどなくなりました。釉薬も吹き釉薬の本格派。染付も数少ない本来の染付職人の筆さばきによりますので大変柔和な味わいがあります。染付の流行を見て転向してきた色絵線描師の作品しか見ることができなくなった昨今、轆轤引きで染付絵師の手描きの茶器を得ることは実はとても難しくなってきています。
現在見られる殆どの中国茶器は量産プレス工場が出荷した白い器に各工房が描いたものがほとんどで、手作業の要素がほとんど見られない大同小異の製品が多いのです。一般市場では本景徳鎮土とまでは一般には望めなくても最低限轆轤の要素と本筋の手描き職人の手によるものを持ちたいところです。




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